Concept

2003S/Sよりスタートしたレディースブランド NEBULAVO  は、
「戦わないミリタリーウェア」「廃棄からの再生」「伝統のミクスチャー」のコンセプトのもと、

リサイクルを目的としたリメイク、旅で出会ったハンドクラフトなどから、存在するものを変容させることで、新しい価値を生み出します。

また、天然の素材を使用し、人にも環境にも優しいものづくりを展開。
NEBULAVOは一点一点を大切にし、大量生産をしないスタンスをとっています。

戦わないミリタリーウェア

現実として、戦争はあるゆる技術力を引き上げるということはまぎれもない事実。

ミリタリーウェアの例外ではなく、国の最新技術を駆使し作られたデザイン、かつ耐久力に優れた生地と縫製、さらに大量生産でも無駄を最小限にするためのパターン(製図)で構成される、かなり完成された服と言っていいと思う。

だけど私はもう、新しい戦いの為のミリタリーウェアは作られなければいいと思う。

新品のミリタリーウェアに身を包む日が、永遠に来なければいいと願う。

文字や言葉は時としてダイレクトすぎて、受け取る側の考える余裕を与えない。

私は「戦争反対」と声を荒げて叫ぶことよりも、戦う役目を終えて古着となって再び、平和な街に現れたウェアたちに、新しい役目を担ってほしい。

戦う為のミリタリーウェアから、決して戦わないミリタリーウェアへ。

否定より肯定、破壊より変化、恐れよりユーモアを。

廃棄からの再生

世の中にはものが溢れかえっている。

毎日新しい何かが生まれ人を豊かにし、時を経てその役目を終える。

美しい自然のサイクルだと思う。

ところが新しい何かを手にする為に、十分に役目を終えないままに廃棄されるものも数多く存在する。

それはほんの少しのシミだったり、あなだったり、すこし今と合わないものであったりと理由は様々だけど、そんなものたちに反旗を翻す機会を与えてあげたい。

見る角度をすこし変えるだけで、息を吹き返すものは確実に存在する。

ごみの増加が今や社会的な問題となっている事実、もう無視できないところまで来ていることを否定するものはいないだろう。

宝ものを探さない人に、宝を見つけることはできない。

宝ものを探そうとすれば、意外と近くにあることに気がつくことができる。

廃棄より再生、否定より可能性を。

私たちはすでにあらゆるものを持っている。

伝統のミクスチャー

時は止むことなく刻一刻と流れ続け、私たちはもはや、過去の偉人が夢にも描けなかった世界に生きている。

海外旅行は一生に一度叶えてみたい夢ではなくなり、情報はインターネットの出現により劇的な躍進を遂げた。

いまや人間は宇宙から地球を見下ろすことだってできる。

人類が誕生してから、もっとも「世界」を身近に感じることができる時代を生きる私たちは、既存の「民族」という概念から一歩踏み出した、新しい人種と言えるだろう。

一方、その土地で何十年、何百年という時を経ていつしか「伝統」となり、脈々と受け継がれる細やかな仕事は、時代を超えて美しい。

必要な「伝統」は日々移りゆく時代を自然に溶け合い、タイ北部から中国前続く山岳地帯に暮らす少数民族は、昔ながらの衣装に身を包みながら、携帯電話を手にしている。

インドではサリーを着たご婦人が、器用にPCを操る姿を目にする。

少し滑稽に映るこの光景が、もっともリアルな今なのだ。

絶えない伝統に敬意を。進化には希望を。

尊敬の気持ちをもって深く混ざり合うことであらゆる境界線は消える。

Written in 2005 by NEBULAVO

DESIGNER

織田めぐみ

広島県広島市生まれ。

京都芸術短期大学(現・京都芸術大学)服飾デザインコース卒業。

デザイナーアシスタント、ファッションショーの仕事を経験した後、しばらく旅に没頭し、プチヒッピー生活を満喫する。

アムステルダムに滞在中の1999年、大量に廃棄される古着を拾い集めてリメイク服の製作を開始、同市内のセレクトショップで展開し、好評を得る。

帰国後はアーティストへの衣装提供、ショーを中心としたスタイリングを手がける傍ら、2003 SPRING/SUMMER より、NEBULAVOをスタート。

J-WAVEのサポートをきっかけに IID世田谷ものづくり学校にアトリエを構えた後、山と川に包まれた自然豊かな場所へアトリエを移し、活動中。